【絵本】おれたち、ともだち!シリーズ|いきいきしたキャラが魅力の友情物語

児童書・絵本ブログのナギブックです。
今回は「おれたち、ともだち!シリーズ」をご紹介します。

おれたち、ともだち!シリーズ
● 1番おすすめの年齢:4歳~5歳
● 1ページの文章量:平均8行~15行
● ひらがなのみ(カタカナはふりがな)
※個人の主観・調査なので正確性は保証できません
※もちろん上記年齢以外でも楽しめます!

キツネとオオカミの友情

通称「ともだちやシリーズ」。

キツネが「ともだちや」を始めるところから
物語はスタートします。

1時間100円で友達になってあげる
というサービスです。

「ともだちはいりませんか」と叫ぶ
キツネを呼び止めたオオカミ。

キツネとオオカミは一緒に遊ぶのですが、
オオカミは「ともだちや」として
キツネに接していたわけではなく、
2人は本当の友達になるのでした。

2作目以降は、2人の友情物語です。

2人だけの話もあれば、
他の友達も交えた話もあります。

2人の友達はだんだん増えて、
最終的には仲間がたくさんになります。

文章の言い回しが軽快で、
楽しく読み進めることができます。
ユニークな歌も作中によく登場します。

絵はダイナミックです。
キツネのファッションにも注目。

シリーズは12冊 + 2冊

シリーズは下記の12冊です。※2023/3/24現在

「ともだちや」
「ともだちくるかな」
「あしたもともだち」
「ごめんねともだち」
「ともだちひきとりや」
「ありがとうともだち」
「あいつもともだち」
「きになるともだち」
「ともだちごっこ」
「よろしくともだち」
「いつだってともだち」
「さよならともだち」

登場人物が途中で増えていくので、
刊行順に読むことをおすすめします。

でも、話は繋がっていないので
多少は前後しても問題ありません。

全作品を読んで世界観を味わうと
とても楽しめますが、
どれも単独で読んでも大丈夫です。

また、物語ではないのですが、
あと2冊、シリーズとして刊行されています。

「ともだちおまじない」
楽しい川柳の絵本です。

「ともだちいっしゅうかん」
ロシア民謡「一週間」の替え歌の絵本です。

おすすめの作品

どれもおもしろいですが、
特におすすめの作品を3冊ご紹介します。

「ともだちくるかな」

作:内田麟太郎
絵:降矢なな
出版社:偕成社

自分の誕生日に
キツネが来るのを待つオオカミですが、
1日勘違いしていたので
キツネはやって来ません。

初めは怒ったり暴れたりしていましたが、
キツネが来ないことが寂しすぎて、
オオカミは「心」を捨ててしまいます。

次の日、キツネがお祝いに来ますが、
心のないオオカミは喜びません。

心をなくしてしまったことを
悲しむ2人でしたが、
「悲しいってことは心があるからじゃない?」
と気が付き、心を取り戻し、
楽しく誕生日をお祝いできたのでした。

「心」について
子どもと考えることができる作品です。

心がなければ、
寂しい思いはしなくてすむけど
嬉しいこともなくなってしまいます。

「友達」も似ていますよね。

友達がいれば、
良いことも悪いこともたくさんあって、
「悪いことがあるなら友達なんていらない」
って思うこともあるけど…

でも、友達がいるからこそ
嬉しいことや楽しいことが
たくさんあるのだと思います。

2作目はこちらです。

「ありがとうともだち」

作:内田麟太郎
絵:降矢なな
出版社:偕成社

海を見たことがないキツネのために
2人は海へ行きます。

カジキを釣ったことがあると
見栄を張って嘘を言ったオオカミは、
嘘を本当にするために
釣りを頑張りましたが失敗します。

カジキを釣れずに謝るオオカミに、
キツネはこう言います。
「海が釣れたじゃない」。

海釣りだから海を釣る
というダジャレなのか、
キツネは天然なのか、

それとも、カジキは釣れなかったけど
貝殻を拾ったりカニを捕まえたり、
海で一緒に過ごした時間が楽しかったと
言いたかったのか、

それはキツネにしか分からないけど、
そんなキツネにオオカミは
救われたのでした。

心の中で「キツネ… ありがとう」
と言うオオカミにジーンときます。

性格が似ていない相手だからこそ
救われたり癒されたり
頼りにしたり楽しめたり
するのかもしれません。

最後に3作目はこちらです。

「きになるともだち」

作:内田麟太郎
絵:降矢なな
出版社:偕成社

これは子どもにおすすめというより
私が個人的に好きな作品です。

オオカミはヤマネに恋をします。

完全に腑抜けになってしまい、
いつものオオカミではなくなり、
キツネや他の友達は心配します。

お月見の誘いも断るオオカミでしたが、
ヤマネの住む森で開催されると知り
即参加を決めます。

照れ屋のオオカミに代わって
友達みんなでヤマネを誘いに行き、
無事に一緒にお月見もできました。

「恋」とは何か、を子どもに説明するのは
まだ早いかもしれないけど、
なんとなく知るにはちょうど良い作品です。

まだ恋を知らないキツネたちに、ヘビが
「恋」というものがあることを教えます。

オオカミが恋をしていると知ったキツネが、
「オオカミと話したくなってきた」と
思う場面がとても好きです。

どの作品もとてもおもしろいです。

まとめて読みたい人のために
14冊セットも販売されています。

以下、雑記

正直、最初はあまりこのシリーズが
好きではありませんでした。

子どもは1作目の「ともだちや」を
気に入って、全作読みたがったのですが…。

私としては、
説明が難しい言い回しがチラホラあるし、
オオカミの言葉遣いや態度が悪いし、
作中に出てくる歌はよく分からないし。

けれど、気が付いたら
この愛すべきキャラクターたちを好きになり、
オオカミの恋を応援したり、
キツネの成長を嬉しく思ったり、
新しい友達を歓迎したりするように
なっていました。

作中に出てくる歌は
未だによく分からないけど。笑

「おれは オオカミさん
オオカミの おかみさん
おかみさんの おかみさんは おばあちゃん」

「ごめんな ごめん
じめんは ろめん
ろめんでんしゃは そらには のぼれん」

という感じなのですが、
うちの子は大喜びで
勝手にメロディーをつけて歌っています。

他にもダジャレがよく出てきたり、
イタチがおならをする場面があったりと、
いかにも子どもの好きな世界なのでしょう。

いわゆる「男子」向けかも。

おれたち、ともだち!シリーズ
● 1番おすすめの年齢:4歳~5歳
● 1ページの文章量:平均8行~15行
● ひらがなのみ(カタカナはふりがな)
※個人の主観・調査なので正確性は保証できません
※もちろん上記年齢以外でも楽しめます!

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