児童書・絵本ブログのナギブックです。
今回は「どうぶつせんきょ」をご紹介します。
どうぶつせんきょ
● 1番おすすめの年齢:5歳~8歳
● 1ページの文章量:平均4行~8行(文字の多いページも一部あり)
● 漢字使用(ルビあり)
※個人の主観・調査なので正確性は保証できません
※もちろん上記年齢以外でも楽しめます!
森の動物の大統領を決める選挙
これまでずっと
ライオンが森の王様でしたが、
自分勝手なことばかりするので
森の動物たちの不満が爆発します。
動物たちがデモを行なっても
ライオンは知らん顔です。
そこで、別の動物にリーダーに
なってもらおうということになり、
選挙で次の大統領を
決めることになりました。
立候補したのは4人。
ライオン・ヘビ・サル・ナマケモノです。
ライオンの立候補を
良く思わない人もいましたが、
「選挙は誰でも立候補できる」という
規則があります。
それぞれで選挙活動や
集会・討論会を行い、
いよいよ投票の日です。
サルは有権者にバナナを配ったので
失格となってしまいました。
そして、大統領に選ばれたのは
ナマケモノでした。
最後にナマケモノが演説をして、
まずは議会を作ることを
皆に約束するのでした。
「どうぶつせんきょ」
作:アンドレ・ホドリゲス
ラリッサ・ヒベイロ
パウラ・デスグアウド
ペドロ・マルクン
訳:木下眞穂
監修:林大介
出版社:ほるぷ出版
子ども達のワークショップをもとに作られた
4歳~11歳のブラジルの子どもたちが
実際に行なったワークショップを
もとにして作られた絵本です。
子どもたちが森の動物となり
たくさん話し合って選挙をして、
結果ナマケモノが選ばれたので
この結末になったそうです。
なぜ子どもたちはナマケモノを選んだのか、
自分だったら誰に投票するか、
話しながら読むと良いと思います。
また、「サルがバナナを配って失格」や
「投票用紙は誰にも見られないように」など
選挙のルールもしっかり盛り込んであるので
「なぜダメなのかな?」と
考えながら読むのもおすすめです。
最後に「解説」のページがあります。
小さい子には少し難しいですが、
「民主主義とは何か」が
しっかりと書かれています。
子どもはもちろん大人にも
ぜひ読んでほしい内容です。
以下、雑記
日本はかなりの
民主主義後進国だと思っています。
「政治」も「選挙」も身近ではありません。
芸能人などが政治の話題をしたら
好感度が下がったりするし、
未だに「デモ = ヤバイ奴の集まり」
のような認識の人も多いです。
ところで、日本に限らず
この絵本のライオンのように
昔から権力者は基本的には
自分のやりたいようにやります。
(もちろん中には
みんなのために働く人もいるけれど)
それは権力者も悪いけれど、
でも人間がそうなってしまうのは
仕方ないとも思います。
だからそうならないように、
みんなでちゃんと見張る必要があるし、
森の動物たちのように
デモなどの意思表示も必要です。
でも、日本はこの10年くらいで
「閣議決定」「強行採決」などという
言葉をよく聞くようになりました。
みんなで見張っていないと、
みんなが政治に関心を持たないと、
どんどん権力者が勝手に決めて、
権力者の都合がいいように
物事が進んで行きます。
だから、
リーダーに任せきりにするのではなく
みんなが自分の意見を持って、
リーダーがおかしい時には
ちゃんとおかしいと言えるような国に、
そして本当におかしいのか
話し合いができるような国に、
なってほしいと思っています。
そのためにも自分の子どもには
政治に関心を持ってほしいと
思うのですが…
でも、関心を持てば持つほど、
「日本っておかしくない?」と
思うことが増えて
生きづらくなるのも事実。
政治に関心を持たずに生きた方が
ラクだし楽しい。
そして、権力者からしたら
みんなが関心を持たない方が
都合がいい。
だからいつまでも
民主主義後進国なのかなと
思っています。
安倍政権はひどかったと私は思うけど、
でもそれゆえにあの頃は
政治に関心を持つ人が今より多かったです。
デモやSNSなど、
今より政治の話題がさかんでした。
今はまた前の日本に戻ってしまって、
なんとなくみんな無関心で、
それはそれで心配ではあります。
もうどうしようもないのかな…
子どもたちの時代には
少しでも政治に関心を持つ人が増えて
民主主義が機能してほしいと願っています。
どうぶつせんきょ
● 1番おすすめの年齢:5歳~8歳
● 1ページの文章量:平均4行~8行(文字の多いページも一部あり)
● 漢字使用(ルビあり)
※個人の主観・調査なので正確性は保証できません
※もちろん上記年齢以外でも楽しめます!
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