児童書・絵本ブログのナギブックです。
今回は「セブンの行事えほんシリーズ」をご紹介します。
セブンの行事えほんシリーズ
● 1番おすすめの年齢:3歳後半~4歳後半
● 1ページの文章量:平均6行~10行
● ひらがなのみ(カタカナはふりがな)
※個人の主観・調査なので正確性は保証できません
※もちろん上記年齢以外でも楽しめます!
ヒーロー「セブン」と行事を体験
ウルトラセブンによく似た
「セブン」が園にやってきて
子供たちと行事を体験する
という物語です。
セブンは同一人物なのですが、
行事によって名前が変わっていて、
七夕の時は「たなばたセブン」
正月の時は「おしょうがつセブン」となります。
ヒーローと言っても
何でも完璧でカッコイイわけではなく、
愉快でちょっとドジで
かわいく優しいヒーローです。
特に誰かと戦ったりするわけではなく、
子供たちと一緒に行事を楽しみます。
行事の由来や歴史、
どんなことをするかなどを、
物語を楽しみながら
詳しく知ることができるシリーズです。
シリーズは8冊
シリーズは下記の8冊です。※2023/5/9現在
「たなばたセブン」
「おしょうがつセブン」
「せつぶんセブン」
「うんどうかいセブン」
「こいのぼりセブン」
「おつきみセブン」
「ひなまつりセブン」
「そつえんセブン」
※刊行順
※「せつぶんセブン」は新装版あり
どの絵本も、セブンが行事を体験して
行事について詳しく知ることができます。
クリスマスや七五三、お盆なんかも
題材にできそうなので
まだ新しく出るかもしれません。
「おおそうじセブン」というムックも
あるようなのですが、
こちらは書籍化はされていないようです。
(ちょっと詳細は不明です…)
特におすすめの作品
どれもおもしろいですが、
特におすすめの作品を2冊ご紹介します。
まずは1作目の「たなばたセブン」です。
「たなばたセブン」
作:もとしたいづみ
絵:ふくだいわお
出版社:世界文化社
たなばたセブンが、
七夕の前夜に園にやって来ます。
子供たちの短冊を見た後、
当日が晴れるように
てるてる坊主を作っているうちに
たなばたセブンは寝てしまい、
朝になってみんなが登園してきます。
それからたなばたセブンは、
子供たちに七夕の由来を話します。
織姫と彦星は離れ離れになっていて
1年に1度だけ会えるということ、
そして七夕に雨が降ると
天の川が増水して
会えなくなってしまうということ。
それを聞いた子供たちは、
織姫と彦星が会えるように
てるてる坊主を作るのでした。
物語の前半は
セブンと子供たちの楽しいやり取りが、
後半は七夕伝承が分かりやすく
説明されています。
出版社のサイトに
作者のもとしたさんの
コメントが載っていたので紹介します。
「七夕が近づくと、短冊に書かれた願いごとを読むのが楽しみ。
出版社「世界文化社」より
しかし、いつ頃からか“○○がほしい”とおもちゃの名前が書かれたものが増えた。
物欲がぶら下がっていて、これでは笹飾りが気の毒である。
そもそも、七夕の願いごとは織姫にあやかって手芸や習字など手習いの上達を願ったことからきている習慣。
願いごととは、欲しいものではないことを子どもたちに伝えなければ……。
サンタクロースのようなヒーローが七夕に来たら? と思いついた」
作者の方の意図どおり、
七夕とは何なのかを
伝えることができている絵本です。
もちろん「たなばたセブン」以外も
行事についての説明が
しっかりされています。
そして、次のおすすめは
最新作の「そつえんセブン」です。
「そつえんセブン」
作:もとしたいづみ
絵:ふくだいわお
出版社:世界文化社
シリーズの他の作品よりは
「行事の説明」は少ないです。
(そもそも七夕や正月と異なり
卒園は伝統的な行事ではないので)
他のシリーズ同様に、
卒園を間近に迎えた子供たちの元に
そつえんセブンがやって来ます。
卒園式の日に何をしたいかを
子供たちと話し合い、
みんなに感謝を伝えるための準備を
一緒に進めていきます。
準備の途中で子供同士がケンカをするけど、
こんな風にケンカをするのも
もう最後…としんみりする場面も。
そして卒園式の日。
1人1人の成長を
園長先生がお話してくれます。
卒園する側、送り出す側、
みんなの思いがあふれる
素敵な卒園式になるのでした。
式ではそつえんセブンが
1番泣いているようでした。
作中の卒園ソングは
YouTubeで聞くことができるので
実際に歌いながら読んでみるのもおすすめ。
以下、雑記
昨年「たなばたセブン」を知ってから
行事の時期にそれぞれの作品を読み、
先日「こいのぼりセブン」を読んで
ようやくシリーズを制覇しました。
うちの子がちょうど
ウルトラマンを好きになり始めた時期から
読み始めたので
なかなか食いつきが良かったです。
鯉が滝を登って竜に変身して…
という「こいのぼり伝承」は
私も知らなかったので
勉強になりました。
でも私は行事は正直面倒なので、
兜も買ってないし、
おせちも食べないし、
節分の豆まきも家ではしないです。
ついでにバレンタインと年賀状も
20代の時に自分の中で廃止にしました。
作者さんの引用にもあるように、
行事本来の意味が失われて
形だけになっていることを
私もあまり良く思っていません。
そこで作者さんは
「自分が正しい意味を伝えよう」と
思ったのが素晴らしいですが、
私は「じゃあやめよう」と
思ってしまって今に至ります…。
なんというか、
形だけならまだいいんだけど、
完全に商業化してしまっているのが
どうも気に食わないです。
恵方巻きなんかも
完全に寿司業界・飲食業界が儲けようと
しているだけにしか見えないです。
(でも七五三はまんまと
商業的作戦に乗ってしまい、
写真館で写真だけ撮りました)
かと言って行事がなくなると
それはそれで寂しいです。
難しいところですね…。
行事は、信仰心や祈祷、感謝などが
ベースになっているものが多いけれど、
でも昔はエンタメが少なくて、
行事がその役割を果たしていたとも言われています。
そういう意味では、
現代では現代の楽しみ方があっても
いいのかもとは思います。
だからハロウィンが
コスプレ祭りになるのは
仕方ないのかもしれません。
でも「バレンタインはチョコ!」
「節分は恵方巻き!」と
特定の業界が儲けようとしてくれるのは
やっぱり萎えてしまいます…。
セブンの行事えほんシリーズ
● 1番おすすめの年齢:3歳後半~4歳後半
● 1ページの文章量:平均6行~10行
● ひらがなのみ(カタカナはふりがな)
※個人の主観・調査なので正確性は保証できません
※もちろん上記年齢以外でも楽しめます!
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